マツダ・ビアンテ 試乗レビュー









デザインがものすごく奇抜。それも、現代のただ単にギラギラさせさた奇抜さではなく、グリルやライトなどのデザインによって特異さをアピールするもの。現代のミニバンの流行ではないし、ディテールはともかくとして、全体的な印象は、最近のマツダらしくもない。見た目は好き嫌いが別れるとは思うが、少なくとも、こんなデザインの車は存在しない。唯一無二であるため、気に入った人は、デザイン買いしてしまうだろうなと思う。
シートは、すべての席で小さく、特に、背もたれの長さが圧倒的に足りない。前の席は背もたれがしっかり背中に当たらないため、腰が疲れてきてしまう。かなり柔らかめと言えるシートを持っている。ホールド感は皆無。

エンジンはスカイアクティブの一個前、DISIエンジン。回り方はあいかわらずスムーズで、高回転までよく伸びる、マツダらしいエンジンだ。プレマシーの時も申し上げたが、マツダの2000ccガソリンエンジンは、ミニバンと組み合わされると、とてもスポーティーな性格を見せる。音は低回転ではそれほど聞こえず、高回転まで回すと、比較的高温で、乾いた勇ましい音を発する。マニュアルモード付きのモデルなら、楽しく走行できるスパイスとなるだろう。振動も感じない。
トランスミッションは、5速オートマチックで、ミニバンとしてはスポーティーなスペックだが、さすがに時代を感じる。ダイレクト感よりも、スムースさ重視で、意図しないキックダウンはあまり起こらない。しかし、逆にキックダウンして欲しい時に必要な力が得られず、迷ってしまっていることもある。エンジンブレーキが必要な時は、SLに入れた上で、さらにホールドボタンを押さなければならず、面倒だし時間がかかるため咄嗟に動きが取れない。6速であればそんなことは滅多にないはずなので、気になる人は、後期型の2WDを選べば良い。
乗り心地は、このクラスのミニバンとしては、かなり良い方ではないだろうか。前の席であれば突き上げ感はあまり気にならない。ふわふわとした動きが感じられ、重心の高さもあって、カーブが続くところで、割とスピードを出した状態は、そのほかの悪条件が重なったということもあるが、私としては珍しく、車酔い一歩手前くらいの状態までなった。
ハンドリングは、これもミニバンとしては良い。ハンドルの舵角として、5度程度のあたりのフィーリングは甘いのだが、切り足していくと正確性が増して行く。重心の高さや、全長のながさを感じさせないほどのアジリティは感じるし、タイヤの接地感もよく感じる。コーナリングスピードは、このクラスのミニバンとしてはピカイチと言えるレベルで、プレマシーなどと比べてもそれほど変わらない。ただ、ミニバンなので仕方ないと言えばそうなのだが、どうしてもシャシーやボディーの剛性に関しては低いため、ハンドルを戻したときに、グニャッとした、ねじれを解放するような、不自然な動きがみられる。そこがなければ、私が以前乗って感動した、エリシオンに匹敵するハンドリングになるだろう。マッドアンドスノーのタイヤだったため、バイト感はないのかと思いきや、意外なほどタイヤのブロック剛性は高く、ノーマルタイヤと変わらないのではないかというレベルのグリップ感であった。
スタビリティーについては、やはりこのクラスとしては高い方だと思う。セダンに乗っている人からすれば満足できないと感じるかもしれないが、8人しっかり乗れて、このレベルならまあいいかなと思う。高速域でも車体は安定しているし、基本的にはフラットだ。アンジュレーションを受け止めても、あまり不自然な動きにはならず、高速道路での連続巡行は得意だと思う。現代のトール系ミニバンと比較しても、安定感は高い。

現在消えかけてるマツダのミニバンは、やはりレベルの高いものだった。設計が古いため、大目にみているところも、ないと言えば嘘になるが、それでも現在売られているミニバンを凌駕している点も多く、マツダがミニバンから撤退してしまうのは本当に惜しい。
現状では、より儲かる、3列シートのSUVに投資するのが、世界戦略的に見れば得策と言えるかもしれないが、クリーンディーゼルを搭載し、魂動デザインを採用した、MPVやビアンテ、プレマシーが、いつか私たちの目の前に現れてくれるだろうと信じて待つしかない。それまでの間、マツダのミニバンには、しばしの別れを告げたいと思う。



走行距離:245.5km 今回燃費:8.9km/L

詳しい解説はこちらをご覧ください!↓
https://www.youtube.com/watch?v=h6YFBGUBkLU&index=96&list=PLw0Odm5d5QLYSGkODlZom00J37El1FU-t

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