ニッサン・マーチ 試乗レビュー









内装はチープだしデザインも良くない。広々感はさすがにノートの方が上だが、充分ではある。
シートも小さくて座り心地も良くない。
エンジンはアイドリング中はとても静か。ノートイーパワーのエンジンかかって停止した状態より静か。しかし走り出すと急にうるさくなり、ハンドルや床に振動が伝わってくる。
出だしの加速感は良い。ある程度排気量のある3気筒らしいフィーリング。重さが1030kgしかないこともあるか。ただ、踏み込んでもそんなに変化がない、これも3気筒らしい。街中を走るのなら、スイフトやパッソやミラージュほどアクセルをガンガン踏み込まなくても、そこそこ走ることができる。
ロードノイズはメチャクチャうるさい。スタッドレスとかそういう問題ではない。特に低周波のゴーーーという音の遮音性は悪く、長い間コンクリート舗装が続く直轄国道などでは気が狂いそうになる。
剛性は良いとは言えないが、ノートよりは良い感じがする。スペース重視ではない分、剛性には良い影響が出ているのかもしれない。突き上げた後にブルっとくる感覚も少ないし、コーナーではノートほどシャシーがよじれる感じもない。
ハンドリングは、足回りが一昔前という感じがする。ある程度ハンドルを切り込むと、突然ロール角が大きくなり、それに伴ってハンドルのレスポンスも悪くなる。ハンドルセンターも甘く、日産の例によってハンドルは軽すぎる。しかし、パッソやミラージュよりもタイヤのバイト感があり、コーナリングスピードは早いし、いざという時安全だと言える。重量が軽いのと、安易に細いタイヤにしてないからと思われる。
高速域でのスタビリティについては、なかなか酷い。パッソよりも悪い。タイヤとボディは出来が上のような気がするから、おそらく足回りのせいだろう。ちょっとした路面のアンジュレーションでタイヤの接地感がかなり変化する。率直に言って怖いし、あまりスピードは出せない。ヨーロッパでもかつて売られていたようだが、もしこのままの足回りだとしたら、かなり厳しいのではないか。一部の軽自動車にすら負けている。
ブレーキが不自然、ブレーキ自体というよりもCVTによるエンジンブレーキのかかり方が不自然だから、急に制動力がかかったりする。

全体的に言って、街中専用マシンといった感じ。高速域では良くないし、乗り心地も悪いが、低速域での加速に優れているし、何より気軽に乗って気軽に降りれるという今までトヨタが得意としていた領域をついている。10年くらい前のトヨタ車には、確かにこういう感覚があったなぁと思い出させる。
国産Aセグメントでは1番選ぶべき車だと言えるだろう。しかし、Bセグメントまで含めてしまうとやはりスイフトやデミオには勝てないし、軽自動車も含めると、今の軽自動車の中には、マーチの走りを超えてしまっているものも何個かある。Aセグメントって、本当に微妙な立ち位置なんだなということを思えば、やっぱり日産がここから撤退したいという気持ちになってしまうのも納得してしまうかもしれない。

今回燃費:17.1km/L 走行距離372km  給油量21.8L

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