トヨタ・プリウスPHV 試乗レビュー












シートは大きく包み込む感じでホールド感がある。後ろの席も2人がけと割り切っているためか座り心地は良い。
車の後方と前の下側の視界が良くない。特に雨が降った時はワイパーが無いため後ろはほとんど見えない。
側方の視界も良く無いため、車線変更はとても怖い。
内外装ともに曲線を多用してある最近のトヨタ的センス。
全面デザインは普通のプリウスよりも良いと感じる人が多いようだ。
後ろのドアの音が安っぽい、またリアハッチが樹脂製、4人乗りとの割り切りなど、重いバッテリーを搭載するために、無理したのかもと思う点が多々ある。
ナビは見た目ほど直感的に操作できるわけでは無い。地図表示は確かに見やすいが、エアコンの設定などはいちいち画面を呼び出したりするのがやりづらい。
急速充電は約20分で満充電になり、満充電状態から60キロほど走ることができる。200v普通充電を30分しても、10キロほどしか走れなかった。

加速は今までのトヨタ製ハイブリッドに無かった気持ちよさがある。EVの領域が広く、多少強くアクセルを踏んでも、エンジンがかからない。ノートe-POWERやアウトランダーPHEVに通じる気持ちよさがある。ただ、バッテリーが減り、ハイブリッドモードになると、普通のプリウスを重くしただけの車になる。上り坂が続くような道では、プリウスよりもキツイ。しかし、下り坂ではエネルギーの大部分を回収できるのが、PHVの強みだ。急加速する時にはやはり122馬力は辛いと感じてしまう。
ハンドリングは車の重さや、それに対するタイヤのプアさを考えれば、まずまず良いレベル。ワインディングではキビキビ走れるわけでは無いが、ハンドリングは素直。限界が掴みやすく、ロールは自然で、ボディやシャシーはしっかりしていると言うことがわかる。ただしバイト感はない。
高速域ではスタビリティは高いと言える。バネ下が動く感覚はよくわかるものの、車体はトヨタ車の中ではかなり高いレベルで安定している。高速道路で怖いと感じるシチュエーションはほとんど無かった。大きなアンジュレーションで車体が上下にフワッフワとルーズに動く感覚は時々あった。
乗り心地はとても良い。ロードノイズは低周波の音をよく拾う印象で、エコタイヤの悪いところが出てるかなと思う。高周波のノイズはよくシャットアウトされているし、トヨタ製ハイブリッドなのでパワートレインはもともと静かだし、EVモード作動中は尚更。風切り音もリーフの次くらいに小さいし、振動は殆どない。
ハーシュネスは国産の中では小さいほうであると言える。エコタイヤ特有のコツコツ感は若干感じるが、バネはちゃんと動いている。低速域では重厚感があり、同乗はとても快適で安心感も高い。後ろの席も前とほぼ同じ乗り心地で、とても快適。4人乗りショーファードリブンとして使うのも悪くないだろう。ただ、タクシーとしては使えないのが悩ましいが、冷静に考えると1日にかなりの距離を走るタクシーがPHVである必要はないだろう。

充電がある時の気持ちよさはプリウス以上。もし私がプリウスを買うなら迷わずPHVにするだろう。アウトランダーと比較しても、EV航続距離の長さや乗り心地ドライバビリティ、HVモードでの燃費、高速巡航時のトヨタ式ハイブリッドの燃費の良さを考えると断然プリウスPHVだ。しかし電気を使い切ってしまうとただの重いプリウスだ。燃費は若干ながら悪いし、加速も悪く、ドライバビリティも低い。欧州ではPHVを買っても充電しない人が殆どらしいが、それはものすごく勿体無い。わざわざ重いバッテリーを積んで走ることの意味を考えて欲しいし、充電が手間だと思うなら、普通のハイブリッドやディーゼルなどを買うべきだ。この車を買う人は、こまめに充電する手間を惜しまない人でなければならないと思う。
また、自分ならソーラーパネルのオプションを追加するだろう。元が取れないことは分かっている。つける理由は自慢と浪漫だ。


今回燃費

一般道:走行距離540km 給油量15.9L 初期満充電+普通充電30分(航続10km)燃費34km/L
高速道路:864.7km 24.4km/L(車内燃費計) 高速充電合計60分間
合計走行距離1386.1km  今回総合燃費26.8km/L 


詳しい解説はこちらをご覧ください!↓
https://www.youtube.com/watch?v=yr6vmqVl_Vg&t=23s

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